BP OIL

メカニック講座

筆者:山岡丈夫

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コモンレール式ディーゼルエンジン

オイルと最新エンジン技術編

コモンレールってなんですか?

直噴式ディーゼルのハイテク技術のひとつです。

 コモンレールとは、各気筒の燃料噴射弁に”共通の間”という意味です。ご存知のように普通のディーゼルエンジンでは、噴射弁につながっている配管(普通は燃料配管)は、気筒(噴射弁)毎に独立した構造になっていて共通の配管はありません。一方コモンレール式は、噴射弁に共通した配管が使われているのが特徴です。この先進技術は、小型乗用車用ディーゼルエンジンの直噴化に貢献しています。

●直噴型ディーゼルエンジンは

 ディーゼルも燃費を良くしCO2の排出量を少なくし、地球温暖化を少しでも抑制することが要求されています。そのためには、現在大型トラックに使われている直噴式が効果的です。しかし直噴式は、振動と騒音が大きく登坂時などの黒煙を発生させるのが短所です。この短所は、小型エンジンを搭載する乗用車や小型RVでは許せないものです。したがって燃費と出力は少し劣るものの、直噴式の短所が解消できる副室式が採用されているのです。

●短所を解決するには

 直噴式の短所を解決するには、副室式より高い燃料の噴射圧力を、さらに全部の運転域で非常に高くする必要があります。従来の方式では、特に噴射ポンプの回転数が低くなる低回転域で高い圧力を得ることが難しかったのです。したがって、たくさんの荷物を積んで坂道を登る場合などに、テールパイプからもくもくと黒煙が出てしまっていたわけです。例えば従来型の噴射圧力は200(低回転)〜1000(高回転)気圧ですが、コモンレール式を使えば常時(低速高負荷の登坂時でも)1400気圧程度が得られます。この高い噴射圧力とコンピューターによる高精度な制御により、黒煙の発生を抑制しているのです。振動と騒音は多少残りますが、エンジンのマウントや防音材を強化することで、室内に侵入しないようにしています。

●いすゞビッグホーンの場合

 コモンレール式は、複数の構造が開発されています。ここでは、「いすゞ・ビッグホーン」に搭載されている新型エンジンについて説明します。高い燃料噴射圧力を得る仕掛けは、噴射弁の中にあります。燃料を加圧する細いプランジャーを、約7倍太いピストンで押す構造です。したがって、ピストンに加わる圧力の7倍の圧力が、燃料の圧力(噴射圧)になります。そしてピストンに圧力を加えるのは、ほかならぬエンジンオイルなのです。エンジンオイルの一部は高圧オイルポンプで加圧され、オイルレール(コモンレール)に蓄えられます。この高圧オイルは噴射弁のポペットバルブがコンピューターにより開かれると、噴射弁のピストンを押します。その結果、燃料がさらに高圧で燃焼室内に噴射されるのです。燃料を直接加圧して1400気圧にするよりも、200気圧のエンジンオイルでピストンを押す方が簡単です。そして、エンジンオイルが噴射弁に導入される時期が「噴射時期」、導入されている時間が「噴射時間(∞噴射量)」ということになるのです。

●エンジンオイルは?

 このコモンレール式におけるエンジンオイルの重要性は、改めて述べる必要もありません。エンジンオイルは普通のディーゼルエンジンオイルに使われた場合より余分な仕事をしており、その余分な仕事がコモンレールという先進技術のキーとなっているのです。さらにこのエンジンには、ターボチャージャーもついているのです。したがって「良いオイルを早め早めに・・」というオイル管理のセオリーが、さらにシビアに要求されることになります。

コモンレール

エンジンオイルの力を借りて、最大1400気圧もの燃料噴射圧力を作っている。コモンレール式エンジンのエンジンオイルは、重要な役目を余分に担っているのだ。

 

コモンレール

広い面積のピストンに200気圧のエンジンオイルを作用させ、1/7の面積のプランジャーをピストンで押させて1400気圧の燃料圧力を得ている。

 
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